NO FUTURE FOR FUTURE

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【格闘技】難聴のキックボクサー・郷州征宜が、9・24K-1で試練の復帰戦

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本人のSNSより。一週間前

 難聴のキックボクサーとして知られ、キックボクシング大会「Krush」の前王者である郷州征宜が、9月24日(月・祝)に開催される『K-1 WORLD GP 2018』(さいたまスーパーアリーナ)で試合を行う。
 
 郷州は生まれつきの難聴を持ち、元甲子園球児というアスリート。2011年にプロキックボクシングデビュー以来、無傷の10連勝を飾った。
 キックボクシング団体「RISE」を主戦場にしていたが「K-1のチャンピオンになりたい」と、K-1と同じグループ大会の「Krush」に参戦。
 昨年10月にタイトルに挑戦し、最終ラウンド終わり間際で王者からダウンを奪い、勝利し戴冠した。

 過去2回他団体でタイトルマッチ挑戦し、敗れてきた郷州にとって、念願の王座獲得だった。

 ファイトスタイルは、野球で鍛えた体幹を武器に、決して下がらず前進し強打を打ち込んでゆく。猪突というわけではなく、冷静に見極めながら攻撃を繰り出す。

 本人は近年「同じ障害を持つ子どもたちを勇気づけたい」と、応援シートに聴覚障害の子どもらを招待するなど、自らの特性を背負って戦う自覚が強い。

 耳が聞こえない中で戦う時、セコンドの声もゴングも聞こえず、すべて目など聴覚以外の感覚に頼ることになる。他の選手は、打撃を打ち込んだ際グローブの当たる音でクリーンヒットしたかを確認したり、相手の息が上がっているかも聴覚を使っている。

 それは練習時も同じで、ミットに打ち込む音も聞こえない場合、手ごたえ足ごたえなど皮膚感覚を使って”当たり”を判断してゆく。

 決して器用とは言えないファイトスタイルだが「障害」の枠を超え、純粋にファイターとしてのファンは多い。

 
 郷州はKrush王座を獲得後、今年3月のK-1に出場しK-1王座決定トーナメントに挑んだ。一回戦は突破するものの、二回戦で「K-1の顔」とも言える三階級制覇・武尊にKO敗北。その後8月に自身の防衛戦を行い、判定で敗れ王座を失った。

 今回はここからの復帰戦になる。相手は多くの日本人王者たちを倒してきた強豪ムエタイ戦士・スアレック・ルークカムイ。
 ムエタイ二大殿堂の一つである「ラジャダムナン・スタジアム」の元ランカーであり、日本でもキック王座を獲得している。
 ムエタイ戦士にありがちな「テクニック重視」というより、超攻撃型でガンガン前に出てKOを狙ってゆくスタイルだ。

 スアレックは以前、日本を代表するムエタイ戦士・梅野源治(郷州の元同門でもある)と対戦した際、梅野の圧力に押され判定負けを喫したことがある。
 自分が押してゆく分には強いが、押されると案外もろいのかもしれない。郷州が突破口を見出すとすれば、打ち合いの圧力対決ではないかとブログ筆者は思う。

 現在2連敗の郷州だが、過去に一度連敗は経験しており、そこから復活した。今回大舞台での強敵相手に、夢のため、背負うもののため、どのような戦いを見せてくれるだろうか。

 なお今回の試合は、会場に行く以外にも「Abema TV」にて中継される。 

郷州征宜@K-1:9/24さいたまスーパーアリーナ (@yasataama) | Twitter

K-1/Krush/KHAOS公式サイト | K-1 JAPAN GROUP

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夢はチャンピオン ―難聴のキックボクサー・郷州力―(前編) - YouTube