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【伴走支援】青少年による殺人事件が最多レベルのホンジュラスで”UNDOKAI(運動会)”が開催

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ハチマキを巻いてUNDOKAIに臨むホンジュラスの若者たち。右下が陰山氏

 9月6日(土・現地時間)、中米のホンジュラス・首都テグシガルパ市で地域の住民と青少年が共に運営し、参加した運動イベント”UNDOKAI”が開催された。
 
 ホンジュラスは北と南をカリブ海に面する中米に位置する国。コーヒー・バナナ等の産地として知られるが、中米最貧国の一つで、現在は殺人発生率が世界トップクラスとなっている。
 民主化に反発するクーデターの連続や、グローバル化による貧富の拡大により、政情や治安は悪化。未来に希望を持てない貧困層の若者の一部は、”マラス”というギャング集団に入る者もおり、治安悪化の大きな一因となっている。

 国際NGO「AMDA-MINDS」は、世界の貧困国を中心に教育や医療支援を行っている。AMDAの陰山亮子は約6年前にホンジュラスへ赴任。郊外に住む妊婦が安全に出産するための支援や、若年妊娠の啓発教育など母子保健支援などを中心に行ってきた。

 陰山はかつて青年海外協力隊として、南米のエクアドルで教育支援を行っていたことがあるがホンジュラスという国に赴任して5年半。私の人生で、こんなにも人の死が身近だったことは、かつてありませんでした」クラウドファウンディングサイト・READYFORより)とショックを受ける。

 ギャング集団”マラス”の構成員は若者が主。陰山によると「大人は『若者は全員悪者だ』といわんばかりに青少年との関わりをできるだけ避け、警戒する住民同士の信頼関係も薄らいでい」るとのこと。

 マラスの若者は、家族から愛情を注いでもらえないがために精神的孤立を味わい、仲間を求めて入団することも多い。
 陰山は「首都テグシガルパ市を拠点に、市内の"不良"と呼ばれる青少年たちが周囲の人々と健全な関係を築き、自尊心と希望を持って生きてゆけるよう、支援をつづけてき」た。

 青少年を敬遠しがちな大人たちを巻き込んで、いかに「地域で子どもを育てるコミュニティ」を作るかを模索。バザーやサッカー大会などコミュニティのメンバーたちも楽しめる活動を、当事者主体で行ってゆくことを支援してきた。
 その中で青少年のリーダーとなり「まさか、地域の大人が自分を頼りにして、いろいろ任せてくれるようになるとは夢にも思ってみなかった」と語る元不良と呼ばれる生徒も出てきた。

 AMDAの本部がある岡山で、地元の高校生らと勉強会や交流会などで親睦を深めてきた陰山。ある時高校生たちがホンジュラスの青少年支援として「運動会」を提案。ホンジュラスの学校ではスポーツなど課外活動はほとんど実施されない。
 もともとスポーツが好きだった陰山を中心に、「子どもから大人まで幅広い世代が参加することで、スポーツを通じて交流を促す」地域の運動会イベントに着手した。

 今年5月にクラウドファウンディングサイト「READYFOR」にて、開催のための資金を募ると、一カ月で125%の目標金額を達成。
 9月8日に、首都テグシガルパ市でも最も危険と言われるフロール・デル・カンポ地区で、第1回 "UNDOKAI"が開催された。
 
 地元学生が中心となった”UNDOKAI実行委員会”が運営を行い、地区の子どもたちや住民たちに呼びかけ参加。プログラムは袋跳び競争、大縄跳び、くす玉割り、そして国民的競技である”ミニ”サッカーなど。
 UNDOKAIの様子や、準備の光景などはREADYFORサイトにて詳しく報告されている。実行委員会のメンバーたちは「子どもたちをはじめ住民みんなの笑顔をご褒美に、やり切ったという気持ちでいっぱいの様子」だったという。

「運動会は他の地区でも続々と開催される予定」で、READYFORサイトには「地区それぞれのユニークな運動会のご報告を、引き続きお楽しみに!」とある。



 日本でも話題となる中南米の治安悪化の一因は、日本の貧困層の問題とも同じ、両親のネグレクトによる自尊心低下と孤独によるもの。麻薬やクーデターなど南米ならではの事象もあるが、構造的には世界どこも変わらないと思う。
 
 ブログ筆者も、ひきこもりやメンヘラ、フツ―の人たちがごちゃまぜ二人一組になって走る1for1マラソンを開催しているが、”UNDOKAI”は地域も巻き込んだ、AMDAが草の根的に粛々と支援を続けてきた信頼の地盤の上に「スポーツイベント」を当事者とともに作り上げた。

 辛抱強い支援を続けている陰山氏他メンバーは本当に尊敬する。

 陰山氏は、ブログ筆者のかつてのシェアハウスメイトだった。スポーツが好きで、いつも笑顔だったが、ネットで検索して出てくるほぼ全ての写真でも笑っている。

 JIKA時代、犬に噛まれて大ケガの話も、ノミだらけの子どもたちの頭を洗う話も、楽しそうに話してくれてた。今も変わってないんだと思う。

 JIKA帰りからいったん日本に戻って、そこで半年ほど同じハウスで暮らしたが、すぐに中米某国の大使館に働きに出て、戻るとさらにホンジュラスへ飛んだ。
 最危険地帯へ好んで生きに行くので、時々ふと思い出してはぐぐって生存確認してた。すると今回の事業が引っ掛かったのだが、クラファンは既に終わった後だった。すまん。

「日本は冷たい、距離がある。南米の人は温かい」と、引っ越し用具手伝う帰り道で話して聞いた。そのとおりだと思う。でもりょーちゃんみたいなやつが出るくらい、この国も捨てたもんじゃないとも思う。

 どこで誰と一緒に走るか。地球の裏側であっても、人と人はそんなに変わらないのかもしれない。

 

死があまりに身近なこの国で。若者の未来を育むためにできること(陰山 亮子(AMDA-MINDS:AMDA社会開発機構) 2018/05/21 公開) - クラウドファンディング Readyfor (レディーフォー)

祝!! 第1回 "UNDOKAI" 開催! 死があまりに身近なこの国で。若者の未来を育むためにできること(陰山 亮子(AMDA-MINDS:AMDA社会開発機構) 2018/09/25 投稿) - クラウドファンディング Readyfor (レディーフォー)

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