NO FUTURE FOR FUTURE

NO FUTURE,FOR FUTURE.メンタルや身体が不調でも、ほんの少しだけ明るくなれるようなことたち

【メンタルヘルス】自身のメンタル問題をカムアウトして戦う世界最高峰格闘技の女王、明日防衛戦

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かつての"絶対女王"ヨアナ(右)と戦いあった後のローズ(左)(ローズのSNSより)

 アメリカのウィスコンシン州に生まれたローズ・ナマユナス(Rose Namajunas/26)は統合失調症の父を持つ家庭の元で育った。家庭は揺れており、自らも精神不安定な少女期を過ごしたアダルトチルドレンだった。

 ローズが16歳の時に、父が自殺。そして同時期に、ローズは空手と柔術を習い始めたという。高校に入ってからは総合格闘技に取り組み、アマ無敗でプロへと転向した。

 UFCには14年、他団体からいきなりの女子ストロー級王座決定戦者としてデビュー。1本負けを期したが、その後勝ち星を積み重ね、当時5度の防衛回数を誇り”絶対王者”として君臨していたヨアナ・イェンジェイチックをグラウンドパンチのTKOに沈める。

 半年後、今度は挑戦者として襲来したヨアナを打撃で完封し、初防衛を果たした。

 会見やメディアでは、自分の過去や精神的問題を明け透けに公開し、ヨアナからも「弱みを見せている」と挑発されることもあった。

mmatrans.com しかしローズは言う「私は地獄のような状況から、王者になった。私は同じ問題で悩んでいる人たちに『そんなことする必要はない』と誰かから言われても『自分が幸せになれること、自分が好きなことなら何だってやっていい』と伝えたい」

「メンタルの問題があることは、やりたいことをすべきでないとか、成長できないなどという理由にはならない。私は自分の試合をきっかけに、メンタルヘルスについて皆に知ってもらいたい」(※訳は意訳)

 ローズの試合には、調子の良い時と悪い時の波がある。得意の打撃とチョークで冷徹に相手を倒しに行くファイターの時と、消極的で判定で辛くも勝利するなどの時だ。
 しかし彼女は、自分の弱さを見つめ、さらに進化していくことだろう。

efight.jp ローズは5月12日(日)、ブラジル・リオデジャネイロで2度目の防衛戦を行う。挑戦者は、ブラジルのアグレッシブファイターでストロー級1位の、ジェシカ・アンドラージ。現在3連勝中で、前戦では相手を失神KOに葬るほどのメガトンパンチの持ち主だ。

 ジェシカはローズと”対照的”にあけっぴろげな性格で、そして血まみれになってもなお突進し続ける芯の強さを持つ。

 UFC日本大会で来日した時には、大好きな『ドラゴンボールZ』の曲を使用し、「(ドラゴンボールZは)戦い続ける、そのために常に強くなるという素晴らしい物語」と言うほどの根っからのファイター気質だ。

 今回賭け率は、ジェシカ有利と出ており、敵地での王座戦を行うローズには頑張ってほしい。そしてジェシカにも、やはりがんばってほしいと思う。

 



 私は、そろそろもう試合に出ても、誰一人同年代などおらず、もうすぐ選手生活20年が見えてこようとしている。
 格闘技が”好き”なわけではない。戦うのは本当は好きではない。しかし、戦うことが、私の精神の人生の柱として、いつも存在して離れるわけにはいかない。

 そんな時、何が”戦う理由”かと考える時、そして戦うことから離れられないのなら、この業のようなものをせめてポジティブに笑って向かって付き合っていきたいと思う。
 そして、戦うことで得られる温かいものや力があるのなら。
 
「他人の邪魔をするより、誰かの背中を押して生きていくことが大事だと思う。もっと世界をポジティブなものにしたい。私には、戦うための理由がある。だからこそ、より自分らしくいられるんだ」(ローズ)(※意訳)

 ローズ、がんばれ、そしてジェシカも、がんばってほしい。

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当日LIVE(日本時間11時開始)

https://www.youtube.com/watch?v=bqZ_QLddf94&feature=share