【格闘技】40歳でムエタイ最高峰王者に、石毛慎也が「最後の挑戦」で戴冠
11月28日(木)タイ国ラジャダムナンスタジアムにて「ミドル級(約72.5kg)王座決定戦」が行われ、同級2位で元NKB王者の石毛慎也(40=東京北星ジム)が5RKO勝利で王座を戴冠した。
ムエタイ2大殿堂と言えば、ルンピニースタジアムとラジャダムナンスタジアム。ムエタイを志すものは皆この2つの王座を目指す。しかし歴代王者はほとんど全てが叩き上げのタイ人で占められており、外国人ファイターにとっては高すぎる壁となっている。
その一つ、ラジャダムナンスタジアムにて日本人としては1978年から9人目、現地での戴冠(日本に王者や決定戦者を呼び寄せタイトルマッチを行う場合もある)としては3人目の王者に、40歳のムエタイ戦士・石毛が輝いた。(ミドル級王者としては日本人初)
石毛は98年にプロデビューし、今年で実に21年目。幼少期から学んでいた空手をバックボーンとする。
2002年に日本キックボクシング(NKB)ウェルター級王座を獲得。その後、タイのムエタイ強豪たちと鎬を削る戦いを続けた。
「31歳からタイでしかやらないと決めて」(自身のブログより)、最高峰のラジャラムナンスタジアム王座に挑戦し続けた回数は実に今回で5回目。
今回の試合は1Rに右スネをカットしてしまい、流血しながらの戦い。「パンチとローという作戦だったので、気にせず蹴ったら16針縫うくらい開いてました」(ブログより)と構わず蹴りを出し続けた。
「これが最後の挑戦かと思ったら力抜けない抜けない」(ブログより)
現時点で動画は見つからなかったが、最終5R時点では相手のほうがポイントリードしていたようだ。相手のセコンドが”勝っているから後は流せ”という指示があったらしく相手の気が緩んだ所を左ボディで逆転KO勝利した。(ブログより推察)
ラジャダムナン現地でのタイトルマッチは、日本人にとっては”アウェイ”なこともあり、日本で戦うより判定が厳しい傾向がある。
しかしKO勝利という”文句無し”の勝利で、見事王座を勝ち取ってみせた。
自身のジム(東京北星ジム)を運営しながら、31歳からキックボクシングからムエタイへとシフトし勝ち取った王座。
ブログでは「一区切り出来た」と書いてあり、40歳の年齢もあってこの先の選手としての展望はわからないだろう。
しかし確固とした目標を持ち挑戦し続けることが、夢を実現へと向かわせると改めて感じさせてもらった。
石毛氏は79年生まれであり、自分と同じ年。
軽く「自分も」とは書きたくないが、ほんのりとした明かりを見た気分になった。