35歳・元ひきこもり、家賃2万円アパートに暮らすボクサーが人気=8.31試合
8月31日(月)、元ひきこもりで現在は家賃2万円のアパートで暮らすプロボクサーが試合を行う。山口拓也(34=ワールド日立)、戦績は4勝(2KO)11敗2分のB級(6回戦)ボクサーだ、
大会主催のA-SIGNは、各選手の一日密着ドキュメンタリー動画を作りYouTubeで配信。公式ページでは、選手ごとに一口500円の”激励賞”を投げ銭出来るクラウドファンドを行った。
山口は選手紹介動画では異例の、約一ヶ月で35万再生。激励賞ではダントツのトップである77万円以上の支援があった。
動画では、家賃2万円で部屋にはトレーニング器材しかない山口の自宅を中心に密着。コンビニバイトをしながら、練習に励む日々だ。節約のためスマホではなく10年以上前のものと思われるガラケー(らくらくホン)を持ち、減量は煮干しを食べる。シャワー室で育てているペットのカエルと暮らしている。
昭和中盤のような生活をする山口は、元ひきこもりだ。中学時代にひきこもってから、25歳まで仕事もせず実家にいたと言う。当時唯一興味があったのが筋トレや格闘技で、近くにあったボクシングジムに通いはじめた。一人暮らしをはじめたのは最近だという。
過剰なまでの節約生活は、認知症の母が「ひどくなってきたら施設とかにいれなくちゃいけない」ので、貯金のためだ。「金欠の原因はこれが一番」「幸せは、母親が笑ってくれる時」と語る。こんな所も応援者たちにうけたのだろうか。
前戦では、王座挑戦経験もある選手を相手に1Rからダウンを奪う判定勝利を収めた。ファイトスタイルは相撲のすり足のようなインサイドワークで、ワンステップごとに重そうなフックを振り回す、総合格闘家のようなパンチの打ち方だ。元ウェルター級でもあり、相手のパンチを恐れずに前に出る山口の攻撃力は高そうだが、相手のリズムにハマってしまうとTKO負けのリスクもあるのかもしれない。
今回の相手は東日本新人王戦で決勝まで行った24歳。戦績は5勝(4KO)4敗と、勝ち負けは約半々だ。
30日に計量を終えた後のインタビューで、山口は出場選手最多の激励賞について「ボクサーとして稼いだ額でなく、恵んでくれたものだと思っているので現実味がない」と語る。77万円の使いみちは、ジムの古い和式トイレの改築費用に当てたいとする。
今まで山口に連勝はない。今回の人気の勢いのまま勝ち星を増やし、さらにA級昇格なるか。
www.youtube.com 大会は18:30に開始される。