NO FUTURE FOR FUTURE

NO FUTURE,FOR FUTURE.メンタルや身体が不調でも、ほんの少しだけ明るくなれるようなことたち

ひきこもり女性たちに人気”外に出られる服”を作れる”居場所”が開催=3.29まで 滋賀

https://twitter.com/hinachouchou
「ジュースとお菓子たんまり用意して待ってるので、お店ではなく私の家に遊びに来る感じで来てください」とのこと

 服を通じてひきこもりに関わる団体『ひなしゅしゅ』が、不定期に滋賀県で、ひきこもりを中心とした居場所「とちゅうスタンド」を開催している。ひなしゅしゅ代表の松崎雛乃さんは”外に出ることを助ける服”として、不安な時にポケットにの中のぬいぐるみと握手できる服を開発。そのぬいぐるみ作りに携われたり、服を買ったり、お話をしたり、何もしなかったり出来る。3月23日から29日(水)まで、滋賀県大津市のおさんぽハウス(JR大津駅から徒歩12分など)で開催されている。

 松崎さんも3年間のひきこもりを経験している。外に出る時は人の視線が怖かったと言う。ある時にネットで素敵なワンピースを買い、家の中で着てみると「テンションが爆上がり」(松崎さん)。見てもらいたいという気持ちが出て、そのまま外に出て歩いてみると、自分に自信が持てるような気がしたと言う。
 何度かおしゃれをして外に出ると「「自分の好きな服を着ても大丈夫なんだな。人もそれほど自分を見ていない」と外出不安も少なくなったと言う。

 そんな”服のパワー”に気づいた松崎さんは、美術系の大学へ進学。「ひきこもっていた自分を連れ出した服のすごさを知っている。同じような人たちに服で何か出来るんじゃないか」と服を通じてひきこもりの人たちと関わる活動を開始した。

 ひきこもり支援センターで、着てみたい服のアンケートを取ると「シンプルで目立たないもの」という声が多く、また「電車に乗る時にハンカチを握って乗っている」という声が聞かれた。
 そんな声を集めて出来たのが、前述の”外に出ることを助ける服”だ。

https://twitter.com/hinachouchou

 両手でも手を突っ込める大きな”カンガルーポケット”がついた、グレーの色合いのスウェットで、ポケットの中には、取り外しの出来る”ぬいぐるみ”が縫い付けられている。「外にいて不安な時でも、ポケットに手を突っ込むふりをして中のぬいぐるみと手を繋ぐ事が出来る」とぬいぐるみに触れることで安心感を得られる作りだ。
 緊張すると手汗が出るため、生地も”ふわふわな毛”ではなく、タオル地の手汗を吸収しやすい。購入者は女性が多かったため、二度目の商品化ではゆったりしたグレーのワンピースを発売することに。

 松崎さんは「不安な時、ぬいぐるみを連れて行きたい人も結構いて、でも握れる感触のある大きさのものを連れて歩くのは難しい。それならポッケの中で隠してしまおうと。色もボトムと合って、目立ちにくいグレーを選んだ」と説明する。
 実際に作って着てみると「嫌なことを言われても『でも私のお腹にはこの子がいるんだぞ』と強気になれる」と”一人ではない”と思える効果があると言う。購入者からは「精神科への通院は緊張するけど、これを着ていると安心する」という声なども聞かれた。

松崎さんと”ポッケの中のぬいぐるみ”

 現在はアパレルメーカーに勤めながら、活動を続けている。目指しているのは”外に出ることを助ける服”を作る作業所の設立だ。「制作をひきこもり当事者さんと行い、お給料をお支払いできる居場所を作りたい」と言う松崎さん。しかしクラウドファウンディングを行ったが費用が集まらず、まだ実現していない。

 だが在学中から何度も、ぬいぐるみ作りができる居場所を開催している。服の中に”収納”されているぬいぐるみは、この居場所などで作られたひきこもり当事者の人によって作られている。一体作るごとに対価も支払っている。

 

 現在3月23日から29日まで開催されている居場所「とちゅうスタンド」は、その「ぬいぐるみを作るお仕事」の他「外へ出ることを助ける服の販売」「お話を聞いてもらえる居場所」というスペースとなる。また古着回収や、カンパでコーヒーが飲めるなど、当事者以外も気軽に立ち寄れる居場所のようだ。ツイッターには「ぬいぐるみ作りやお店が目的だけではなく、誰かと作業したいーという方もゆるっとお待ちしております!」とある。

 ツイッターでは「居座って作業できるカフェ的なお洋服やさんを目指しています」と書いている松崎さん。来夏からは、自身の引っ越しに伴い関東圏での月イチ開催も考えていると言う。
 目標である作業所設立に向かって、コツコツと開催を積み上げてゆく『ひなしゅしゅ』に注目したい。

◆おさんぽハウス 滋賀県大津市長等2丁目3−9
びわ湖浜大津駅から徒歩8分 JR大津駅から徒歩12分

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【LGBT】アライな企業や、当事者の先輩たちと触れ合えるイベント『LGBTQ+ユースEXPO』が開催=3.21

プライドハウス東京が若いセクマイたちに向けた参加型”働き方”イベントを開催

 

 性的少数派の若年層が、精神疾患にかかりやすかったり、自死率が高いことは知られている。
 特に地方のマイノリティほど、差別や情報が行き渡らず、狭い世界の基準で自分や未来も判断してしまうためだ。

 10年以上前と比べ、性的少数派の周知は広まってきたが、それでもマイノリティならではの息苦しさはある。

 そんな若いセクマイたちに向け、3月21日(火・祝)東京・青山にてLGBTQ+に関する発信を行うプライドハウス東京が、属性をオープンにしたまま参加できる、働き方についての『LGBTQ+ユースEXPO』を開催する。

 イベントでは「D&I(ダイバーシティインクルージョン)に取り組む企業の生の声が聞けるほか、様々なテーマのワークショップ」など参加型のもの。

 また「キャリア相談や、実際に企業で働くLGBTQ+の大人の話を聞いたり対話をしたりすることができるヒューマンライブラリー、インクルーシブな商品企画・マーケティングなど、企業とユースが一緒に『働く』を考えることが出来る」と言う。

 性的指向をオープンにしたまま、働ける企業との対話が出来るので、そのままの自分でも社会に出て働ける実感が得やすいと考えられるイベントだ。

 中でも『ヒューマンライブラリー』とは、様々な当事者を”本”として借り出し、ページをめくるように対話が出来る試み。今回は「企業で働くLGBTQ+の大人とお話できる」と実際に働いている性的少数派の先輩たちに、気軽に様々なことが聞けるようだ。

 今回は特別ゲストとして、21年にレズビアンであることを公表してプロボクシングのリングに立つ、OPBF女子東洋太平洋バンタム級王者・菊池真琴も”本”として参加。

 カムアウトして働き、さらにはプロとして戦う舞台に立つ菊池選手から、どんな過去や本音が聞けるのか。

 将来に悩んでいる、希望を持ちにくいと感じている若いセクマイたちは、のぞいてみてもよいかもしれない。

pridehouse.jp


 

 

37歳のシンママ格闘家・東よう子がアメリカ大舞台に挑戦、優勝すれば100万ドル

https://www.instagram.com/youko_rikutan/

 より

 

 国内の大手総合格闘技MMA)団体『DEEP JEWELS』のフェザー級王者で”戦うシングルマザー”の東よう子さん(37)が、アメリカの大手MMA団体『PFL(プロフェッショナルファイターズリーグ)』へ参戦することが決まった。2月末に本人がSNSで発表した。
 PFLは1年間のリーグ戦形式をとっており、勝ち上がり優勝すれば100万ドルの賞金が獲得出来る。まさに”アメリカンドリーム”を体現出来る場所だ。初戦は4月7日(日本時間)に米国ネバダ州ラスベガスで行われる。

 シングルマザーでありながら、仕事、子育て、そしてアスリートを兼任するスポーツ選手は多い。国内の格闘技選手でも、プロボクシング元WBO女子スーパーフライ級王者・吉田実代や、過去にはレスリング世界王者で現在は総合格闘家山本美憂(現在は再婚)などが知られている。

 東さんもその一人で、SNSの自己紹介欄のトップには『#息子に肉食わす』とシンママであることを公開。小学校低学年の一人息子との生活のため、格闘技と仕事に励む。仕事は体操の先生で、試合では生徒の子どもたちの応援の声が飛ぶ。
 
 東さんは兵庫県出身。柔道で全国高校選手権に優勝し、ジュニア国際大会でも入賞の実績を持つ。警視庁所属で柔道を続けていたが、ケガで断念した。しかし競技をやりたいという気持ちがあり、MMAの道へ。17にはまだ小さい息子を連れ、練習環境を求め2人で上京した。
 
 デビュー戦は敗北してしまったが、連勝を重ね昨年5月には王座を獲得。前の戦いではタイ人強豪にTKO勝利している。現在の戦績は8勝(3KO)2敗。

昨年5月に王座も獲得した https://www.instagram.com/youko_rikutan/ より

 以前から試合後のマイクで「シングルマザーで息子とRIZINや海外を目指しています」と、大舞台や海外へ参戦アピールしていた。昨年もアメリカのMMAジムに息子を連れて武者修行と海外志向は強く、今回はその夢が叶った形となる。

 契約した『PFL』は、シーズン制を採用し、K-1で活躍したレイ・セフォーが代表を務める大団体。シーズン制を採用し、試合は1年ごとに各階級のリーグ戦で争われる。選手たちは毎年優勝100万ドルの賞金を目指し、レギュラーシーズンからプレイオフ、決勝までを戦う。

 東さんの初戦の相手は、サンボの世界選手権で6度の優勝経験を持つマリナ・モハナトキナ(34=ロシア)。PFLの他にもメジャー団体で活躍し、8勝3敗だが、5つの一本勝ちを持つ極め技の強いファイターだ。女子フェザー級戦での試合となる。

 東さんはSNSで「夢だったアメリカでの大舞台!出場記念大会にはしない!やるからにはトップ目指して頑張ります」と意気込む。東は猛者の集うPFLリーグを勝ち抜き、自分の、そして息子に経験させたい様々な夢のため、高額賞金を手にすることが出来るか。

■東さんのツイッター インスタグラム

※某媒体向けに書いたものを大幅に直しました 

カリスマ緊縛師・青山夏樹の次ステップは”ジム・カフェ”「こころとからだはひとつ」(青山氏)

SMという”居場所”を創り続けてきた青山氏の次の挑戦は、”安全基地”を意味するトレーニングジムのオープン https://twitter.com/natsukiss1018/


 プロのカリスマ緊縛師で、緊縛事故などにも警鐘を鳴らし活動を続けている青山夏樹氏が、今月8日より東京・神田にてジム・カフェ『Inclusion(カフェ)/Secure Base(ジム)』をグランドオープンする。ジム・カフェのプレオープンチラシにあるフレーズは「こころとからだはひとつ」。

 青山氏は92年にSMの世界へ足を踏み入れたベテランプレイヤー。著名な緊縛師である乱田舞氏に師事し、二代目乱田舞を襲名しては緊縛師の他にもSMのAV制作や監督業と活躍した。
 その後は”安全なSMプレイを楽しむ”『現代緊縛』の普及にも力を入れる。近年増えているという緊縛事故防止のためのセミナーや、事故にあった人が相談できるNPOを立ち上げた。また『現代緊縛入門』などを出版し、安全に楽しめる緊縛の周知に努めている。

 そんな活動と並行して、2015年ころから筋肉トレーニングによるボディメイクを本格的に開始した。毎日ジムへ通い、16年ころからはビキニフィットネスやフィジークの大会などに参戦、現在も大会へ出場し続けている。

 青山氏はトレーニングを本格開始したころ、SNSにこう綴っている。
 「筋トレを続けるのは縛り続けたいから。自分に身体を預けてくれるパートナーを守りたいから。トレーニング中の苦しい時はいつもパートナーが苦しみの中で見せてくれる安らかな笑みを思い出す。この信頼を私は必ず守る!」

 緊縛師は、縛られるパートナーの脱力した体重を、時には空中での吊りや縛りで任される。緊縛する技術の他にも、フィジカルな体力・筋力やバランス力が無いと、思わぬ事故を起こしてしまう可能性があるのだろう。
 また古武道も学んでいた青山氏は、護身とはまず”自分自身から愛する人を護ること”と感じたこともあるかもしれない。

 21年、青山氏は30年携わってきたSMプレイヤーとしての仕事を引退すると宣言した(緊縛師としては生涯続けてゆくとのこと)。
 ブログには引退への不安や決意と共に「これから、性とは違うコミュニケーションの世界に」入ると綴っていた。それが、自分の肉体を鍛え、コミットするトレーニングの世界なのかもしれない。
 パーソナルトレーナーとしても活動する青山氏は「トレーナーは寄り添って心と身体を理解し支える仕事」と書いていたこともある。

 上記に書いたことは自分の憶測に過ぎないので、全然見当違いだったら申し訳ない。ただSMという相手を、そして自分を”赦し”肯定し続ける世界の次、自分の肉体を鍛え、ケアしながら関心(愛)を深めてゆくトレーニングの世界でも生きてゆこうとすることが、とても興味深いとは勝手に感じる。

 青山氏のジムカフェのフレーズ「こころとからだはひとつ」とはSMにも、トレーニングにも、そして人生に纏わるメンタルヘルスにも繋がることだとは思う。新しい門出の成功をお祈りいたします。

 ジム・カフェ『Inclusion/Secure Base』のグランドオープンは10月8日(土)より。
 場所は千代田区神田駿河台3-7の路面店で、最寄りは都営 小川町駅。またJR御茶ノ水駅からは、徒歩6分。
 営業時間は、カフェ:9:00~20:00、ジム: 9:00~23:00。
 ジムは「2時間¥1,500で利用できます」とのこと。月会費でも利用できるが、公式サイトにはまだ書かれていない。
 カフェの看板には「手話・筆談対応OK」のステッカーも貼ってある。 

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 securebase  

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(16年に書かせていただいたもの)

車椅子男性でもオシャレな”巻きスカート”はパリコレでバズるか=9月27日パリ

22春夏パリコレに車椅子でもオシャレなファッションがランウェイ殴り込み https://twitter.com/tottolink より

 9月27日(火・現地時間)パリコレ真っ最中のフランス・パリで、車椅子のモデルたちが車椅子でも着やすい”巻きスカート型ボトムズ”を着てランウェイを”歩く”。パリ日本文化会館にて、15時30分(現地時間)から。

 主催するのは日本障がい者ファッション協会で、ユニバーサルデザインでありつつオシャレな『bottom’all』(ボトモール)ブランドとしてショーを開催する。
 代表の平林景さんは、男性体でありながら自ら考案・政策した、袴のような”巻きスカート”着用写真をSNSに投稿。たびたびバズっており、見たことがある人もいるかもしれない。
 先日話題になった、“男子でも着やすいセーラー服”も平林さんらのデザインだ。
 
 かつて平林さんは車椅子ユーザーから「障害があると、着たいものを着れない、諦めざるをえない」という声を耳にした。たとえば男性のボトムスであっても、デニム生地を履く時には強い力が必要になったり、そもそも服屋で試着室に入れないことも。また車椅子の場合、フリルをひっかけてしまったり、車輪を漕ぎにくかったり、汚れやすくなる場合も多い。

 そこで平林さんは、まったく新しい”着脱しやすく、オシャレに見える”を試行錯誤し考案。マジックテープなどで着脱容易・前後アシンメトリーで皺などにもなりにくく、和風にも洋風にも見えるオシャレな巻きスカートというユニバーサル+ファッショナブルな「bottom’all」を開発した。これはボトム+全員という意味を込め、障害の有無、老若男女、多様な国籍で着れるようにとの意味があると言う。

 そんな『障害があるからこそ、生まれたかっこいい服』を広めるため、2022春夏パリコレクションで発信することに。パリコレは言わずとしれたファッション流行の発信地。「パリコレウィークにファッションショーを開催し、世界に流行を生み出す」(平林さん)ことが出来れば、様々なアパレルメーカーが”誰もがオシャレを楽しめる”ファッションを開発してゆく可能性が高い。
 
 開催費用を募るためクラウドファンディングを行うと、僅か30時間で目標額である300万円を達成。最終的には800万円以上の支援総額を達成した。ランウェイを車椅子で”歩く”モデルたちもオーディションをして行われた当事者たちだ。

 各国のプレスや観客によって撮られた動画、写真で世界的にバズれば、一気に日本発のユニバーサルなファッションが認知されるだろう。果たして明日27日、どのようなショーが披露され、各国メディアや有名メーカー、ブランドたちはどう受け止めるのか。