虐待を受けた人たちが創る『毒親アートフェス』は全国展示できるか【8/8(日)まで】
毒親アートフェスという試みがある。虐待を受けた経験者たちが自発的に描いた絵やアートを公募し、毎年展示会を開くものだ。
この展示会を日本各地で開催するための費用を募り、クラウドファンディングを行っている。期限は8月8日(日)23:00まで。現在は目標金額50万円のうちの約50%が集まっている。
目標金額を達成した時のみ支援金を受け取れる”All or Nothing”方式となる。
毒親アートフェスは、公式ページによると『虐待サバイバーのための、一歩を踏み出すアートの公募展』であり、「毒親からの問題やらでもやもやぐちゃぐちゃ鬱々している人たち」が自発的に絵を書いて送る」ことで「慰めになったり癒やされたり、はたまた発散できたり」と作り手と受け手双方が、アートを通して前へ進めることを目的とする。
主催者の一人である青柳さんは、毒親アートフェスという言葉を知った時「(自身の虐待についての思いを)表現してもいいことなのだと知」ったのだと言う。
もともと絵描き作家としても活動していた青柳さんは、”トラウマ(とリカバー)を表現する”ことに苦しんだが、いざ描きあげると「表現としても重要視することでより鮮明に、そして自分の中で分かりやすく分解されて『トラウマ』から『きちんと心の整理をつけられたトラウマ』に変わったものがある」と思いや経験を自分の中へ落とし込める手助けになったとも語る。
『日本一醜い親への手紙』という投稿を集めた書籍がある。虐待サバイバーからの出せない、出さない「親への手紙」を集めたものだが、言葉で表現できる人やこともあれば、言葉以外のものを使って表すこともあるだろう。
アートとは見た人に傷をつけるもの、世界の理解を変えるものとも言われるが、見る人ばかりでなく、創る人にとっても自身の気持ちを伝えることで、手放せたもの、新しく愛せるものもあるだろう。
今まで毒親アートフェスは、主催者の地元である名古屋や、引っ越し先の熊本で行っていた。
他に”巡回展”として他者主催のものを募ってきたが、開催数は少なく、また講演会の際に展示されるなどアートフェスがメインなものではなかった。
そこで「今回は、美術館、またはなるだけ公的な場を借り切って展示をメインとして行いたいと思っています」と主催が自ら全国を行いたいとしている。
場所の予定は 東京、関西、名古屋、熊本で各一週間ずつ。開催にかかる経費を募る。
500円から支援でき、リターンとして作品の缶バッジから、原画まで様々用意されている。
また今年で5回目になる熊本の本展では、作品の募集を行っており、今年のテーマは「失意」「思いやり」。参加申込みの締め切りが9月24日(土)?作品提出の締切りが10月8日(土)。
自分の今まで出せなかった苦しみ、気持ちを表すこと、また他の人の作品を見ることで、解放されるものもあるだろう。
虐待サバイバーアートを全国に広める試みは、サクセスするのか。